樹木との交信と”エネルギー”のお話
花と私の物語、第8話。
お華をいけながら花の”エネルギー”を考える時、やはり樹木から受け取るエネルギーの方が(樹木と言っても、いけばなで使うのは、木の一部の“枝”ですが)切り花より、強くてわかりやすいかなと個人的には感じます。
あとは、やはり土に根のついている方が、パワーが強いですね。
今、私には大の仲良しの“サルスベリ”という木がいるんですけど・・このコとの出会いから仲良くなるまでのプロセスを、お話ししてみたいと思います。
不思議な話だなと思われるかもしれませんが、お花や木たちと仲良くなる、なにかの参考になれば。
お友達のサルスベリくん
3、4年程前でしょうか・・
今住んでいる家の前に大型マンションが建てられて、住人向けのオープンスペースとして、庭が作られました。
住民以外もその庭を通り抜けられるので、私も綺麗に整えられた花や木を眺めながら、毎日駅まで歩くようになりました♪
まだ、全長1メートルくらいの赤ちゃんの木がたくさん植樹されていて・・
その中に、とても特長のある木を見つけたんです!
枝の一部が、親指と人さし指で”OK”の形つくったように丸まっている。
ぐんぐん大きく育って行く、木。
その丸まった節はどうなるのかな~と、おもしろくて、前を通る度に注目するようになりました。
たくさんの苗木が植えられている中で、その木にだけ、前を通るたびに必ず意識と好奇心を向けていたんです。
何カ月くらい経った頃だったでしょうか・・
私の腰のあたりまでの高さだったその木もだいぶ立派になった頃、
あれれ?と感じたんです。
この木、私を意識してるなぁ〜と!
その時にはもう、だいぶお花(植物たち)のエネルギーというものを感じられるようになっていたので‥ピンっと来ました!
毎日私が、前を通る度に「おもしろいな~」とじーっと凝視してワクワクと感情を動かしているのを感じて、その木にとっても、私という「人間」ががちょっと特別な存在になっていたんでしょうね。
それからしばらくは、お互いに意識はしながら、何となく素っ気なくする‥まるで、「毎朝電車の同じ車両に乗って顔を覚えてる人と、すれ違ったけど他人なので特に挨拶せずに無視する」ような、そんな微妙な意識交換が続きました。笑
まだ私にも、「木と友達になる」という発想がなかったので、どうしていいかわからなかったんです。
でも前を通る度に、そのぎこちない空気感がだんだんと不自然に思えて来て‥
ある日、思いきってこちらから挨拶してみることにしました!
声には出さず、頭の中で「こんにちわ~」って。
それをきっかけに、毎日声をかけるようにしていたら‥
今では、そのサルスベリくん、前を通ると毎日「おかえり~」って言ってくれるようになりました!
落ち込んで帰った日は、励ましてくれたり。
植物からのサイン
すっかり大きくなって、首を倒して見上げないと幹の先が見えないくらいになった頃、私がいつも下を通り過ぎる位置に、枝を一本張り出してくれるようになりました。
他の枝はもっと高い位置にあるのに、その一本だけが、急な角度で下に向かって伸びていて‥ちょうど、枝の先が私の頭の上ギリギリ、2センチくらいのところに来るんです。
そのサルスベリは、夏になると、綺麗な綺麗な白い花をつけるのですが、頭の真上のその枝の上で、揺らして見せてくれます。
「揺れる」のは、植物の発するサインです。
経験上、植物って「揺れて」メッセージを伝えようとすることがよくあります。
あきらかに、風も吹いていなくて、何か振動を起こしたわけでもないのに揺れている時は(部屋の中でも、気づいたら、切り花がなぜか揺れている時があります)
お花や木たちはなにか伝えようとしているので、少し意識を向けて、その小さな声に耳を傾けてあげてください。
木と仲良くなりたい人のために、ポイントをまとめておきます。(花も共通です。)
★こちらの感覚アンテナをいつも立てておく
★「仲良くしてね♪」とエネルギーを発信する
★その木の性格を見極める
樹木にも、それぞれ性質というか性格があります。
中には無断で触れられるのを嫌がる木もいるので…
「触らせてくださいね」と伝えてから触った方が、木たちも心の準備ができてびっくりしません。
神社などで、御神木に触ってパワーをいただきたいことがありますよね。
杉などは霊性の高いパワーのある木なので、ある程度は無断で触りまくられても大丈夫ですが(それに、前回お話ししたように植物は自分たちの役割をわかっていて、それを務めようとするので)やっぱり、ことわってからの方がこころよく触らせてもらえて、パワーも少し多めに分けてくれる気がします。
もし、「木と友達になることに、何か意味があるんですか?」と思われる方がいらっしゃったら、「これからの時代、今後ますます生きる上で必要になります」とお答えします。
気づいている人たちはもう、意識して、その感覚を磨いています。
次回は、花に向き合う上で一番重要な『ある通過点』のお話をします。
いけばなのお稽古を10年ほど続けた頃、「ああ、お華の奥義はこれなんだな」と、その地点に到達しました。そこを越えると、本当の意味で花を「極めた」といえるようになります。
花と私の「出逢い」の物語は、次回で最後です。
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