2016-06-20

お華の神様の導き

用意された完璧なシナリオといけばな体験

花と私の物語、第3話。

『花の世界』との運命の出会いのエピソード、「いけばな体験教室」に行くことになった話の続きです。

花は苦手なのに、なんとなく好奇心から1回限りのつもりで参加してみた私でしたが‥予想外に、最初からガツン!っとお華の世界にハマってしまったのです。笑

 

私の勉強している流派は『草月(そうげつ)流』と言って、カーリーこと假屋崎 省吾さんで有名な、わりと自由な作風の流派です。

とはいえ、どの流派でも、華道は まず“型”ありき 。基本となる花型(かけい)を修得するところからはじまります。型も基本から応用まで何十種類とあって、長さ、いける角度、全て細かく決められているのです。

基礎を学ぶ課程で、花の見方や技、使う花材の個性や特徴を、時間をかけて、自分自身の手を使って覚えていくことが、とても大切で必要なことなんですね。

型が入って初めて、次の段階の『自由花』(制限なく感じるままにいける花)の過程に移った時、花の持つ美しさをちゃんと“作品として”表現できるようになるんです。

これはお花に限らず、スポーツでも楽器でも、マスターするプロセスは同じではないかと思います。

 

いけばな初体験のこの日は、一番基礎の基礎の”型”を教えてもらったのですが‥

もともとモノを作ることが好きな私は、すっかり興味を奪われ、ただただ時間を忘れてお花をいじり倒していました。

お花って、扱い方に慣れていないうちは下手に何度も何度もやり直して‥花を、くしゃくしゃにしてしまうんです。

それがいつの間にか、ちゃんと花びらを傷つけず、思った通りに扱える”手”になっていきます。

初めてのこの日は、夢中になって、無心でひたすら花に触っていたのを覚えています。

 

そんな風にして、全くの想定外にすっかり初回でいけばなのトリコになってしまった私は、先生のご厚意で、その日は家での練習用に花器と剣山をお貸りして帰宅しました。

家に帰るなり、覚えたてのいけ方を、それはそれは長ーーーい時間かけて復習して、出来上がったいけばなを玄関に飾って、ずーっとニコニコ眺めていました(*^-^*)

いとおしくて、いとおしくて。

夜、眠る直前まで何度も、チラチラ眺めに行っては戻って、また眺めに行く、と部屋の中をずっと行ったり来たりしていました。

 

そして、次の日の朝、私の運命を変える「決定的な瞬間」が訪れます。

 

一輪の花が、誰かの人生を変えることがある

 

初めてのお華のお稽古で使った花材は、春だったのでレンギョウと、ピンクのチューリップでした。

最初に習う、基本中の基本の花型は、真・副・控(しん・そえ・ひかえ)と呼ばれる軸となる3つのポジションに、枝や花をそれぞれ決められた位置や角度で忠実にいけて、あとは全体のバランスを取るようにその他の花材(従枝)を加えていきます。


その時、の位置に配置したのは、1本のチューリップ。

水面から15度の角度でお花を剣山に刺して固定しないといけないのですが、これがなかなか難しくて。

斜めにすればするほど倒れやすくなるので、茎の足元をがっつりと剣山に差し込んで、どうにか留めることができました。


できた作品を飾った、当時住んでいたマンションの玄関には窓がなくて、非常灯がわりの小さな電球が1つ、天井に埋め込まれていました。

次の日の朝‥起きるなり昨日いけた作品がどうなっているか気になって、玄関に飛んで行きました!

 

そして、

そこで私が見たのは‥

足元をがっつりと剣山に固定されたチューリップが、茎を90度の角度に曲げて、頭を‥花を天井にぐんっと向けた姿でした。

 

その時の私はまだ、チューリップの花に、太陽の方を向く習性があることなど全く知りませんでした。(後で先生に教えてもらいました)

そしてそこは、朝でも陽の光の入らない、薄暗い玄関‥

なのに、

わずかな電灯の光に向かって、全身で空を向こうとするチューリップの生命力溢れる姿に、知らないうちに涙がボロボロボロボロ溢れてきて、私はその場に立ちつくして、泣いていました。

「なんて、すごいんだろう」

理屈じゃない、花の力。

自らの意志で、茎を直角に曲げたチューリップ‥。

頭では理解できない目の前の光景に、でも、自分の何かが反応して、ただただ感動していました。

 

その時、私の中で何かのスイッチがカチッと入りました。

 

それが、私がお花の世界に足を踏み入れた、最初の一歩でした☆

今でも、チューリップの花を見るとその時の光景が浮かんできて、「初心を忘れないように」と気持ちが引きしまります。

 

 

さて、ここまで3回にわたって私咲良の目の前に、【花の世界への入り口】が現れた物語をお話しして
来ました。 
  

人生が真っ暗で、
転んで起き上がる力もなくうずくまっていた時、
 
光を投げかけてくれたのは
お花たちでした。 

 

この後も、私とお花たちの物語は、まだまだ続きます。 

ここまでは、言って見れば花と私の出会いまでのプロローグ。

 

さらに奥深く、花の世界に足を踏み入れながら、花の持つ「魔法の力」に気づいていくことになるのです‥
 

引き続き、物語の第二幕(迷走編)へ。

興味のある方は、お読みいただければと思います。
 

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